「何でうちの子は、育てずらいんだろう?」
「まわりと同じように子育てしているのに、上手くいかない」
「私の育て方がダメなのかな…」
など、感じた事ありませんか?
じつは、これらは息子が0~3歳の頃に、私が良く思っていた事なんです。
泣いたり・不機嫌な様子・強いこだわりを見せる…など、なぜ息子がそうなってしまうのか?分からず悩んでいた時期。
当時は、言葉でのコミュニケーションが十分に取れない年齢。ひたすら、こちら側が息子の不快の元を推測するしかない状態でした。
- 思いつく限りを試行錯誤…
- 育てのヒントをググる…
- インスタでも子育て情報を探す
- 子育てに関係ありそうな記事は必ず目を通す
- ママ友、子育て支援センターの人にアドバイスをもらう
とにかく、息子に合う育て方を探していました。
けれど、どれも「うちの子には合わないだろうな…」といつも心のどこかで思っている私。
そのうち、私に問題があるのかも?と思うようになりました。
- 忍耐力がない
- 人間としての未熟さ
「そうか、私が至らないばかりに息子を上手く育てられないんだ。私が子どもを持つなんて間違えだったのかもしれない…」
こんな感じに思い詰めていました。
同じ状況の方、いらっしゃいませんか?
自分を責める前に、ちょっと知って欲しい。『繊細、敏感なこどもHSC』について記事を書きました。
育てにくさは、お子様が『ひといちばい敏感で感じやすい子』だからなのかもしれません。
HSCを知り、HSCに合った子育てを始めてみましょう。
『HSC』とは
HSCこの言葉は、アメリカのエレイン・アーロン氏が提唱した言葉です。
The Highly Sensitive Child の略でHSCと呼ばれています。日本語では『ひろいちばい敏感な子』『繊細な子』と訳されたりしています。
HSCは大人になるとHSP(The Highly Sensitive Person)と呼び方が変化。
呼び名が変わるだけで、敏感・繊細であることは同じです。
HSCは、生まれ持った特性です
子どもも大人と同じように、いろいろなタイプの内面性を持っています。
- 自己主張が強い子
- 大人しい子
- 気難しい子
- 穏やかな子
以上のように、生まれた時から持っているものがあります。
そういう特徴の1つに『ひといばい敏感(HSC)』があるのです。
生まれ持ったものですから、大人になって敏感さ・繊細さが無くなるという事はありません。ただ、成長する過程でさまざまな事を経験し、HSCの特徴が薄らぐという事はあります。
外から見ると分かりづらくなっただけで、本人の中にはずっと敏感・繊細な部分を持ち続けているのです。
HSCの割合
HSCの割合は15~20%です。
4人に1人もしくは、5人に1人の割合です。
HSC、具体的にはどんな子ども?
ひといちばい敏感・繊細とは、一体どんな事を指すのでしょうか?
例えば下記のような事です。
- 仲間の輪から外れている子を見つけると、その子のことが気になる。
- ちょっとした部屋の模様替えでもすぐに気づく。
- ケガをしそうな危険な遊びをしない。
- 痛ましいニュースなどに心を痛め泣く。
- 小さな音でも目を覚ます。
- 味に敏感で、慣れない食材は受け入れずらい。
- 大きな音に対し圧倒されやすい。 など
以上の事は、共感力がある・直感が鋭い・想像力が豊か・思慮深い・慎重派という言葉が使われることが多くあります。
まったく違う事のようですが、全てに共通しているのは『敏感・繊細がゆえに刺激(情報)を受け取りやすい』という点です。
HSCのプラス面・マイナス面
どんな事でもそうですが、物事には必ず長所と短所が存在しています。
HSCにはどんな面が存在するのでしょうか?
例として、「感受性が強い」という観点からHSCを見てみましょう。
【プラス面】:深い愛情・尊敬の念・喜びを強く感じる。
【マイナス面】:人よりも強く恐怖・悲しみ・不安を感じる。
感受性が強いHSCは、臆病・怖がりなどと言われてしまう事も多いです。
しかし、裏を返せば喜び・幸せもひとより深く感じています。
「恐怖感を感じやすく、何事にも慎重」なHSCの場合はどうでしょうか?
【プラス面】:これから起こる事を想像できる。リスク回避ができる。
【マイナス面】:消極的な子。引っ込み思案な子。
不本意ながらHSCは、消極的でやる気がない・引っ込み思案などと言われることもあります。
しかし、これも間違っています。興味がないのではなく、未来にどんなことが起こるのか想像がつくため、リスク回避をしているのです。
言い訳に聞こえますか?
リスク回避、これは素晴らしい能力だと思います。
上記の例2つは、一方から明るくライトで照らしたリンゴの、明るい部分を見るのか・影の部分を見るのかとよく似ています。注目する部分が違うと、同じリンゴでも大分印象が違います。
HSCだけではなく、様々な方向からその人を見る事が大切なのです。
HSCの短所だけを寄せ集めた評価、間違えたレッテル貼りには注意をしましょう。
HSCは、病気や障がいではありません
HSCは病気や障がいと間違われる事がよくあります。
しかし、それは間違いです。
病気や障がいではないので、HSCを治したり・克服したりするものではありません。
4つの性質~DOES~
HSCにはDOESの4つが必ず存在すると言われています。
これは、当てはまらないな。と感じるものが1つでもあれば、HSCではない可能性が高いです。
- Depth【深く処理する】
- Overstimulation【刺激を受けやすい】
- Empathy,Emotional【共感力・感情の反応が強い】
- Subtlety【ささいな事に気づく】
DOESをもう少しこちらの記事で説明しています。ご興味あればご覧ください。
HSCチェック
お子様がHSCなのか簡単にチェックできます。お試しください。
- すぐにびっくりする
- 服の生地がチクチクしたり、靴下の縫い目や服のラベルが肌に当たったりするのを嫌がる
- 驚かされるのが苦手である
- しつけは、強い罰よりも、優しい注意のほうが効果がある
- 親の心を読む
- 年齢の割りに難しい言葉を使う
- いつもと違うにおいに気づく
- ユーモアのセンスがある
- 直感力に優れている
- 興奮したあとはなかなか寝つけない
- 大きな変化にうまく適応できない
- たくさんのことを質問する
- 服がぬれたり、砂がついたりすると、着替えたがる
- 完璧主義である
- 誰かがつらい思いをしていることに気づく
- 静かに遊ぶのを好む
- 考えさせられる深い質問をする
- 痛みに敏感である
- うるさい場所を嫌がる
- 細かいこと(物の移動、人の外見の変化など)に気づく
- 石橋をたたいて渡る
- 人前で発表するときには、知っている人だけのほうがうまくいく
- 物事を深く考える
【「はい」と回答13個以上】
お子さんはおそらくHSCでしょう。
【「はい」と回答が13個未満】
「はい」1つか2つでも、その度合いが極端に強ければHSCの可能性があります。
『HSCの子育てハッピーアドバイス』
著者:明橋 大二
(子育てカウンセラー/心療内科医)
HSCチェックどうでしたか?
「やっぱり、HSCだった」
「まだ子どもが小さすぎて判断できないな」
「これって誰でも当てはまるんじゃない?」
いろいろご感想あると思います。HSCのこと、今すぐにピンと来なくても問題ありません。ちょっと頭の片隅にHSCの事を覚えておいてください。
ご自身のお子様がHSCでなくても、周りにはHSC・HSPがたくさんいます。いろんなタイプの人間が存在しているんだと認識しておくことは、あなたの視野を広くしてくれます。
HSCを育てるひとに伝えたいこと
HSCは敏感・繊細がゆえに、一般的な子育てアドバイスが合わない事がよくあります。
私が息子の子育てに一番手を焼いていた頃、下記のような事に困っていました。
- 食べ物の味・舌触りに敏感で偏食ぎみ。
- かんしゃくが強い。
- いちど泣くと泣き止むのに時間がかかる。
- ちょっとした音に敏感で、寝ていてもすぐに起きてしまう。
- 遊び場から帰るのに、他の子のように無理やり引っ張って帰れない。
さまざまな情報源を頼りに、いただくアドバイスを一通り試しましたが、どれも上手くいかずに途方にくれました。
『HSCにとって、一般的な子育てのアドバイスは、かなり無理やり感があり、子どもも保護者もとても苦しい思いをする』と感じました。
もし、戻れるなら当時の私に下記のように伝えたいです。
- まわりに比べて上手くいかないのは、あなたのせいではありません。
- その子が育てずらいのは、育て方のせいじゃありません。
- あなたの努力不足じゃありません。
HSCの子育てに必要なのは、HSCの理解を深めること。一般的なアドバイスに合わせるのではなく、HSCに合った子育てをすることが必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
HSCについて、少しでも知ってもらえたらと思い記事を書きました。
「もしかして、うちの子HSCかも?」という方がいらっしゃいましたら、これを機会にHSCの世界をもっと探検してみる事をおすすめします。
HSCを知る前は、窮屈に感じる子育て。
でも、HSCを知ると「この子のままで良いんだ」「この子はそのままで大丈夫」と安心できますよ。
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