最近では、メディアでHSPを特集することも増えてきていますね。
HSPの認知度が広がってきて嬉しく思っています。
けれど、HSPのこども時代を指す『HSC』についてはどうでしょうか?
まだまだ注目がされず、認知度は低いままです。
HSCは、ひといちばい敏感であったり、繊細であったりする子どもを指す言葉です。
その敏感・繊細さがゆえに傷つきやすかったり、圧倒されやすかったりします。
HSCは、HSCではない子(非HSC)が気にしない情報もキャッチ。
キャッチした情報は「深く処理する」というHSCの特性があります。
非HSCに比べ、持っている情報量が多いので、処理する時間もより多く必要です。
そのため、学童期では「環境に慣れるまでに時間がかかる」「ぼーっとしているように見える」と言われることがあります。
幼少期には「泣きやすい」「こだわりが強い」など、保護者が育てずらい子と感じる場面も多くあります。
HSCに理解のない環境では、警戒心が強い・ワガママ・挑戦心がない子など、間違った評価をされてしまうこともあります。
いちばん近くにいる保護者が、HSCの良き理解者になってあげることが大切だと思います。
しかし、保護者はたびたびHSCの育て方に不安を感じてしまうものです。
「甘やかしすぎなのかな?」
「もっと厳しく接したほうが良いのかな?」
そして、HSCの育て方の情報にアクセスできず途方に暮れます。
「一般的な子育て方法だと、うちの子に合わない気がする」
「この子に合った育て方が知りたい」
「けれど、この子に合った方法って?」
「どこで情報を得ればいいの?」
そこで本記事では、HSCの子育てに不安を感じている人にピッタリな本をご紹介します。
HSCの世界を知ることができるのはもちろん。「なぜHSCには、一般的な方法とは違う育て方が必要なのか?」が分かります。
HSCを理解し、「これで良いんだ!」と安心・確信が持てる子育てを始めましょう!
「HSCの育て方」不安を感じる人におすすめな本
今回、ご紹介する本は『HSCの子育てハッピーアドバイス』です。私は、この本を息子が年少の頃に手に取りました。
「あぁ、もっと早くHSCを知っていたら、もう少し違う気持ちで接してあげられたかも…」
それと同時に「HSCにはHSCの育て方が必要なんだ」と、改めて感じたことを覚えています。
この本を、昔の自分に紹介するつもりでご紹介します!
まず、ざくっとした本の雰囲気から。
- 本の著者
- 構成
- 本の特徴
それぞれ見ていきましょう。
本の著者
著者は、明橋 大二(あけはし だいじ)先生。
精神病理学・児童思春期精神医療をご専門にしている方です。
子育てカウンセラー・心療内科医として活動されています。
今回ご紹介する「HSCの子育てハッピーアドバイス」のほか、子育てに関する本をたくさん執筆されています。
『0~3歳の子育てハッピーアドバイス』
『10代からの子育てハッピーアドバイス』
『みんな輝ける子に』
このように、子育て以外について書かれた本もあります。
個人的にちょっと興味があるのが、『もっと自分を好きになる!Dr.明橋の生きるのが楽になるたったひとつの言葉』です。
「大人女子の自己肯定感アップ術」を紹介している本らしいので、今度読んでみようと思います。
構成
本を読む前は、「うちの子ってHSCなの?」「HSCってどんな子?」など、HSCについて全く分からなくても大丈夫です。
HSCとは?について、初めから丁寧に説明されています。
『HSCチェックリスト』もあり、読み進めていくうちに自然とHSCについて理解できる構成になっています。
実は、わたし自身がHSPと気づいたのもこの本がきっかけでした。
「そうそう!子どもの頃こんなふうに感じていた!」「あぁ~、HSCが関係してたんだ!」と、発見の連続でした。
- 人とはどこか違う
- 気にしすぎてしまう
- 傷付きやすい など
これらが全部、HSCと関係していたことが分かりました。
本を読んでいるうちに、子ども時代の傷が少しずつ癒されていくような感覚があります。
すでに大人になったHSPの人にも、おすすめできる一冊です。
本の特徴
この本は、とにかく読みやすく・理解しやすく書かれている本です。
だから、「子育ての最中で、なかなか本を読む時間がない!」という人でも大丈夫。
難しい言葉は使われていません。イラストが効果的に使われていて、視覚的にも理解しやすくなっています。
文字も大きいので、1時間あれば読み終えられる感じの本です。
『HSCの子育てハッピーアドバイス』おすすめポイント3つ
『HSCの子育てハッピーアドバイス』のおすすめポイント、3つ紹介したいと思います。
- HSCの育て方にフォーカスしている
- アドバイスに納得できる
- 安心できる言葉で溢れている
それぞれ見ていきましょう。
HSCの育て方にフォーカスしている
この本の最大のポイントは、HSCの子育てにフォーカスして書かれているということです。
HSCの人数は、5人に1人の割合(約20%)だと言われています。この20%である「HSCの子育て本」を見つけることが大切です。
一般的な子育て本・アドバイスは、HSCではないお子さん(約80%)に向けた情報である事が大半。
その方法は、多くの人に受け入れられ、子育ての常識とされています。
世間は、HSCに合わない子育て情報で溢れているんです。
だから、HSCを育てている保護者は上手くいかず、途方にくれてしまうことが多いように感じます。
「この子が悪いの?」
「私の育て方のせいなの?」
「どうしたらいいのか分からない」
上記は、まさしくHSCを知る前の私です。
もし、HSCの子育てで悩んでいたら、よく考えてみてください。
HSCではない子ども(80%)へ向けた情報なのですから、HSC(20%)に適さないのは当たり前です。
MacのPCを操作したいのに、Windowsの取り扱い説明書を読んでも理解できないのと同じ。
HSCにはHSCの子育て方法が必要です。
『HSCの子育てハッピーアドバイス』で理解を深め、安心してHSCを育てましょう!
アドバイスに納得できる
この『HSCの子育てハッピーアドバイス』で紹介されているのは、スッと心に入るアドバイスばかりです。
一般的な子育て書だと、HSCにとっては刺激の強いアドバイスに感じることが多くあります。
だから、「この方法はうちの子に合わないだろうな…」「これをやったら癇癪を起すだろうな…」と、HSCを育てている保護者はうっすら思うものですよね。
しかし、この本は少し違います。「HSCの困った状態」がなぜ起こるのかを、HSCの特性と絡めて説明がされています。
「どうやって子ども(HSC)を親が受け入れてあげるか?」
「その子らしく、そのままで育てる」
ということを中心に、HSCも保護者も安心できるアドバイスが紹介されています。
安心できる言葉で溢れている
子育て書を読むと「ちょっとズキッと心が痛む」という経験はありませんか?
「自分の行動を改めないと!」
「やっぱり、親として正しい姿で子どもに接しないと!」
上記のように、一般の子育て本やアドバイスに触れると、自分のマインドを変える良い機会になります。
でも、やっぱりどこかで心がズキッと痛むもの。それは、きっと親である自分が否定されている感覚になるからなんだと思います。
でも、この『HSCの子育てハッピーアドバイス』は大丈夫!心がズキッと痛むどころか、安心できる優しい言葉で溢れていますよ。
例えば下記のような言葉で、私は安心できました。
「甘やかすからわがままになる」というのは間違いです
白か黒かではなく、グレーを認めると、人生はぐっと楽になります
「え…、そうなの?本当に?良かった!」と、張りつめていた気持ちがホッと緩みます。
HSCを知ると育て方・気持ちは変化する
息子がHSCだと気づいたのは、幼稚園生になった頃。
その時に『HSCの子育てハッピーアドバイス』と出会ったのですが、本を読む前後で私の気持ちは大きく変化しました。
- HSCを知る前
- HSCを知った後
それぞれ見ていきましょう。
HSCを知る前
まず、HSCを知る前の気持ちは、下記のような感じです。
- HSCの子育ての辛さを理解してもらえず孤独
- 良い子育てアドバイスが得られず途方にくれる
- 自分を責める・追い詰める
当時、わたしは周囲の親子に比べ、少し手こずっているように感じていました。それを相談しても「手が掛かるのは、そういう時期だから~!」「子育てがつらいのは、みんな同じ!」と言われていました。
「HSCの繊細さから、引き起こされる育てずらさ」は、周囲からは理解しにくいものです。そのため、HSCを育てている保護者は、とても大きな孤独感を抱えています。
世間は一般的な子育て論・アドバイスで溢れています。だから、私もHSCに合う方法に出会えず、どうすれば良いのか分からない状態が続きました。
そして、最後には「自分がダメなんだ」と責め始める始末でした。
HSCを知った後
しかし、本を読んでHSCを知った後は下記のように変化します。
- HSCを知り安心する!
- HSCへ理解がない人・情報と距離を置けるようになる!
- どういう子が遊んでいるのか?
- どんな遊具があるのか?
- 安全な場所なのか? など
HSCの育て方で悩んでいる人におすすめの章
「HSCの子育てハッピーアドバイス」を読んで、個人的にとてもホッと安心できた章があります。
- 7章:育てにくい子は、長い目で見れば、心配のない子です
- 8章:「甘やかすから、わがままになる」というのは間違いです
それぞれ見ていきましょう。
7章:育てにくい子は、長い目で見れば心配のない子です
7章では、「感情の反応が強く、ささいなことで大げさに騒ぐ」など、まさしくうちの息子のタイプについて書かれていました。
だから、私は7章を読んだときに心底ホッとしたのかもしれません。
「私の育て方が間違っているの?」と、自分を責めることが多々ありましたが、下記の一文で救われました。
むしろ、安心できる環境だからこそ、自分の素の気持ちをだせる、ということでもあります。子育てが基本的にはうまくいっている証拠です。
~HSCの子育てハッピーアドバイス P.99 より~
「そうか!私は、息子が安心できる場所を作れているんだ!」
「子育てが上手くいっている証拠なんだ!」
このように、気持ちがガラッと変わったんです。
HSCがどうして「そのような反応になってしまうのか?」「どう接したら良いのか?」についても、本書では丁寧に説明されています。
8章:「甘やかすから、わがままになる」というのは間違いです
8章は、息子(HSC)にピッタリの本だと確信した章です。
私の文書よりも、引用したほうが魅力が伝わると思うので、一部ご紹介します。
まず、HSCを育てる親御さんが、周りからよく言われる言葉があります。
「過保護だ」とか、「子どもの言いなりになりすぎ」などの言葉です。
確かに、HSCに対する、親御さんの接し方は、周囲から見ると、そのように見えることがあります。
要するに、親がそのような間違った育て方をしているから、こういう子どもになるんだ、という言い方です。
~HSCの子育てハッピーアドバイス P.103 より~
親の接し方が、子どもの行動の「結果」なのに「原因」だと思ってしまう誤り、ここから、多くの支援の現場で、困っている親御さんがよけいに追い詰められる状況が生まれるのだ、と感じています。
~HSCの子育てハッピーアドバイス P.104 より~
本当に追い詰められていた私は、この8章を読んで心の中で叫びました。
「そう!そう!そう!そうなんだよーーー!!!」
きっと、同じ思いの人いるのではないでしょうか?
それまで抱えていた不安・モヤモヤ・葛藤がピッタリと言語化され、スッキリとした気分になりました。
これが「この本が息子(HSC)の育児にはピッタリだ!」と確信に至った理由です
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著者からHSCへのメッセージ
20章は、著者からHSCへのメッセージです。
HSCはもちろん、大人になったHSPが読んでも「ハッとする新しい気づき」があると思います。
最後の一部だけご紹介しますね。
特にこれからの難しい世の中、環境も社会も大きく変わり、人と人の間のストレスが大きくなった時代に、あなたのような人は、ますます必要とされるでしょう。
ぜひ、自分の持って生まれた性格に自信を持ち、才能を開花させましょう。
そして自分も人も幸せになる方法を見つけていきましょう。
それがあなたに与えられた役割であり、生まれてきた意味なのだと思います。
~HSCの子育てハッピーアドバイス P.223 より~
毎回この章を読むと泣いてしまうんです。
少しずつですが「私は私のままでいいんだな」と、自分を受け入れられるようになってきました。
息子の子育てに役立てようと購入した本でしたが、わたし自身がHSPであることに気づき・救われた本でもあります。
この本で、HSCの子育てに迷いが無くなったのはもちろん。自分の過去の傷・モヤモヤ感も癒されたように思います。
「HSCの子育てハッピーアドバイス」は、大人になったHSPが自分自身を理解するのにもおすすめの一冊です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
『HSCの子育てハッピーアドバイス』の中から、ほんの一部だけご紹介しました。
今回ご紹介した以外にも、下記のようなことが本書では丁寧に紹介されています。
- 魔法のリフレーミング
- 自己肯定感とはなにか?
- HSCがイキイキと伸びるために親ができること など
HSCの子育てで、知っておきたい情報がたくさん詰まった一冊です。
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HSCを育てている人、HSP、保育園・幼稚園の先生など、たくさんの人にぜひ読んで頂きたいと思います!
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